第4回 Linuxへの移行ノウハウ

3/15 に日経Linux主催のLinux導入実践セミナー「第4回 Linuxへの移行ノウハウ」が
汐留コンファレンスセンターで行われた。日本の大手メーカーである日立製作所NEC、日本ヒューレット・パッカード日本IBMが一堂に介するのは珍しい。
まず、独立行政法人 オープンソースソフトウェア・センター 田代秀一氏が「Linux/OSS導入のポイント」と題した基調講演を行った。
政府は、3年前からフリーソフトウェアに取組んでいて、調達の選択肢を増していると述べた。
で、「OSSとは?」から始まり「OSSを推進する理由」、そしてOSSを導入するポイントとして「商用ソフトとの比較」、「さまざまなライセンス形態」、各種自治体のOSSの話やOSSセンターの取組みなどが説明された。OSS は、導入コストだけではなく長期的なトータルコストを考える必要があると述べた。
続いて、日立製作所 高杉昌督氏が「Linux on BladeSymphonyへの移行事例とそのノウハウについて」のテクニカルセッションが行われた。
変化に強い経営基盤の構築の元に「安全・確実・安価」なシステムをLinuxで構築。移行には、5つの取組みをしている。また、移行前のチェック出来ることは全てやることが重要であると述べた。
また、その実現の「BladeSymphony」が問題を解決出来ると。最後にLinux運用保守強化サービスについて特長を述べられた。
次に、ヒューレット・パッカード インディア Rony S. Mathews 氏による「Rapid Migration to Linux-using tools and processes〜with case studies on Integrity Servers〜」のテクニカルセッションが行われた。
LinuxはCAGRの予測でも成長していて、エンタープライズに向かっている。Linuxは様々なTCOを削減出来ると述べた。また、HPでは、Solaris からのLinux/HP-UXへの移行アプローチを用意していることや実際に SLPK が Telecom 関係で使われている事例を紹介していた。
続いて、NEC 高橋千恵子氏が「失敗しないための"Linuxシステム移行ノウハウ"とは?」と題したテクニカルセッションが行われた。
NEC は、ミッションクリティカルなOS性能強化に積極的に関与していくこと、Linuxの他にもHP-UXWindows でも顧客が欲するものにコミットしていくことを説明した。また、移行には商用UNIXからの移行の他にメインフレームからの移行もあるという。システムの移行には、基本方針としてのガイドブックや手引きを作成しているという。オープン系のプラットフォームとメインフレーム系プラットフォームからの移行は考え方が違うので分けて考える必要があるとのこと。ここで、「システム移行の手引き」と「アプリケーションの移行の手引き」の一部抜粋を説明した。それを見るとかなり細かい内容のチェックリストになっていることが分かる。
もう一つの事例として「WindowsからLinux業務パッケージ移行」という事例も説明し、NECLinux の幅広いサポート力が見せつけられたようだ。最後にミッションクリティカルシステムに向けての考え方や評価システムの構成を述べた。
次に、日本IBM 水橋久人氏が「IBMが実践するLinuxへの最新移行事例」と題したテクニカルセッションが行われた。
まず、顧客のLinuxの採用の推移やIBMLinuxを適用している範囲や取組みについて説明した。IBM は、ITインフラの最適化手法(Zodiac)を用いているという。更に、Zodiac で分析された結果に基づいて提言の事例や「移行支援ツール」、移行事例などが述べられ、最後に移行のポイントが説明された。
続いて、田代氏を除いた講演者に、日本ヒューレット・パッカード 宇佐美茂男氏を迎え、日経Linuxの編集長 田島篤氏をモデレータに「マイグレーションを成功に導く人、スキル、技術とは」と題したパネルディスカッションが行われた。
まぁ、この手の話は発散して終わるということが常だが、

  • Linuxは「魔法のツール」ではない
  • 一つの手段、目的が何なのか知ることが必要
  • デバドラでまだまだ、Linuxに対応していない
  • 日本では、ITリテラシイーがない
  • 学生でソースコード読めない人が多い
  • メインフレーマーの人がLinux開発に流れて来ている
  • 商用UNIXメインフレームの弱点を知っている > メインフレーマー
  • ユーザー企業でLinuxの技術者が(どのくらい)必要か?
  • セルフメンテ出来る可能性があることが重要
  • OSSは、ベンダーロックイン外れることがメリット
  • 技術者の質の差
  • インドではLinuxは人気ある。但し、エンタープライズとビジネス系
  • 今の学生、OS自身は "Black Box"
  • Sun to Linux(STL)は、やりつくした(笑)
  • Linuxの知識を知るには?
    • LPI Japan, Redhat, Turbo の資格試験がある

などの意見が出された。けど、最終的には、

  • 適材適所
  • 全体の最適化を考える

ということで、まとまった感じがした。